ただの80本の線

f:id:shi-butsu:20210626002431j:plain

万年筆で80本の線を描きました。

イアンカーティスがどうとかピーターサヴィルがどうとかたくさん擦られてるデザインですね。keisuke kandaの神田さんが仰ってた「流行の後ろにくっついて、膝カックンかますくらいが楽しい」っていう言葉が凄く頭に残ってるのですが、この意外性みたいなやられた感覚っていうのは既視感が程よくのこっている物で尚かつ所有権がなく誰でも気軽にサンプリングされてるものから生まれたりするのかな。出し抜き方色々だな〜なんて思ってて、マジな話、僕はjoydivisionよりニューオーダー派ですが、ここ数日と淡々とした日々が続いた中で静かな夕方に心打たれたり、毎日同じ物を食べてごくたまにとんかつ食べに行ったりしたらこれまでにない衣の甘みに感動したりしてるのです。

 

例のアルバムのアートワークでは当時、ピーターサヴィルがケンブリッジ天文学百科事典から直接あの「パルス波形」のダイアグラムをコピーし、それをそっくりそのままjoy divisionのアルバムカバーで使用したってやつですが、そのパルス波形っていうのはこぎつね座にある中性子星CP1919から発信されているパルサー(波動)のことで、文献に実際に記載されている「eighty successive periods」っていうのは直訳すると「80の連続した期間」、これはそのパルサー波形を80日観測したときに1本の線が1日として80本のグラフで表示されていて、そこから観測された日々の記録があの有名なダイアグラムになるわけですね。

 

最近私のテーマであるjust(ただの)っていうありふれた日常を意味するフレーズをつけたら「ただの連続した80日間=平凡な日々」になるわけです。なにも観測されないまっすぐなダイアグラムの完成です。Tシャツは少し薄めのボディーで4.0ozのツルテカ系、大昔に流行ったDiorのTシャツの質感を少し柔らかくした感じに近いなあと思いチョイスしてみました。夏に海へ行けない諸君(私がそうです)、これ着て一緒に市立図書館へいこう。

 

f:id:shi-butsu:20210626012522p:plain

パルス波形を研究していた作者、Harold D. Craft, Jr.さんのインタビュー記事から